『ホンマでっか!?TV』で紹介された「忍師(のびし)」という言葉を聞いて、「忍師とは何だろう?」と気になった方も多いのではないでしょうか。
実は「忍師」は正式名称ではなく、警察などでは夜間に就寝中の住宅へ侵入する窃盗を「忍込み(しのびこみ/のび)」と呼びます。
また番組では、「泥棒だけで生活する職業泥棒は約3000人いる」という驚きの話題も紹介されますが、この数字はどこから来たものなのでしょうか。
この記事では、「忍師」「忍込み」、「職業泥棒約3000人説」の根拠について、公的資料や元捜査員の見解をもとにわかりやすく考察します。
- 「忍師(のびし)」は正式名称ではなく俗称
- 正式には「忍込み」という侵入窃盗を指す
- 「職業泥棒約3000人」は元捜査三課刑事による推定人数
- 警察庁の公的統計による確定値ではない
1. ホンマでっか!?TVで話題の「忍師(のびし)」とは?正式名称「忍込み」と空き巣・居空きとの違い

『ホンマでっか!?TV』で紹介され話題となった「忍師(のびし)」という言葉。
あまり聞き慣れない言葉ですが、これは忍者のように姿を隠して忍び込む泥棒を表現した俗称で、正式な犯罪分類ではありません。
警察などが使用する正式な呼び方は「忍込み(しのびこみ)」です。
一見すると「空き巣」と同じ泥棒と思われがちですが、大きな違いがあります。
それは、忍込みは住人が家の中にいる状態を狙う犯罪であることです。
では、空き巣や居空きとは、具体的にどのような違いがあるのでしょうか。
-空き巣との違い-
空き巣とは、住人が外出している間に住宅へ侵入し、金品を盗む手口です。
空き巣の場合、犯人は基本的に「人がいない時間」を狙います。
その理由は単純で、住人と鉢合わせする危険を避けるためです。
犯人側から見ると、
- 侵入しても発見されにくい
- 逃走しやすい
- 人との接触を避けられる
という特徴があります。
一方、忍込みは家族が寝ている夜間を狙うため、住宅内に人がいることを承知で侵入するのです。
つまり、
空き巣=留守宅を狙う泥棒
忍込み=就寝中の住宅を狙う泥棒
という違いがあります。
同じ侵入窃盗でも、犯人が侵入するタイミングや危険性は大きく異なります。
-居空きとの違い-
「居空き(いあき)」も、忍込みと混同されやすい侵入窃盗の一つです。
居空きとは、住人が家にいる状態で、その隙を狙って侵入する手口です。
例えば、
- 家族が別の部屋にいる
- 庭で作業している
- 昼寝をしている
- テレビや家事に集中している
といった状況で、気付かれないように侵入します。
忍込みとの大きな違いは、住人が起きているか、寝ているかという点です。
| 手口 | 狙う状況 | 特徴 |
|---|---|---|
| 空き巣 | 留守中 | 不在を狙う |
| 居空き | 在宅中 | 気づかれないよう侵入 |
| 忍込み | 就寝中 | 寝ている間を狙う |
このように比較すると、忍込みは「人がいる家へ入る」という点で、空き巣や居空きとは性質が異なる犯罪だと分かります。
特に忍込みの場合、住人が侵入に気付いた際、犯人と遭遇する危険があるのです。
そのため、防犯の観点では空き巣以上に注意が必要な手口とされています。
2. なぜ「忍師」は危険だといわれるのか

「忍師(のびし)」と呼ばれることがある忍込みが、空き巣より危険だといわれる理由は、犯人が住人のいる住宅へ侵入することを前提としているためです。
空き巣の場合、犯人はできるだけ人がいない時間を選び、住人との接触を避けようとします。
しかし、忍込みは違います。
夜間、家族が寝静まった時間を狙い、住宅内に侵入します。
つまり犯人は、
「家の中に人がいる可能性が高い」
という状況を分かったうえで犯行に及んでいるのです。
-住人がいる家に侵入する危険性-
忍込みの大きな特徴は、犯人と住人が遭遇する可能性があることです。
例えば、
- トイレに起きた時
- 水を飲みに行った時
- 物音に気付いて確認した時
など、偶然鉢合わせする危険があります。
空き巣の場合、犯人は「誰もいない家」を選ぶ傾向がありますが、忍込みでは寝ている住人の存在を前提としているため、発覚した際の危険性が高まります。
そのため、忍込みは単なる窃盗被害だけではなく、住民の生命や身体に関わる犯罪へ発展する可能性がある手口として警戒されています。
-居直り強盗になる危険-
忍込みで特に恐れられているのが、犯人が住人に発見された後に態度を変えるケースです。
本来は盗みだけを目的として侵入した犯人でも、逃げるために住人へ暴力を振るったり、脅したりすることがあります。
このように、窃盗犯が発覚後にその場から逃れるため、暴行や脅迫に及ぶことを居直り強盗と呼びます。
つまり忍込みは、
「盗まれるだけの犯罪」
では終わらない危険性があります。
犯人にとっては「見つからずに逃げること」が最優先ですが、住人と遭遇したことで予想外の行動に出る可能性もあるため、防犯上は特に注意が必要な侵入手口なのです。
-夏に被害が増えやすい理由-
忍込みは、特に夏場に注意が必要とされています。
その大きな理由は、暑さ対策による住宅の防犯意識の低下です。
夏の夜は、暑さや湿気を和らげるために、
- 窓を少し開けたまま寝る
- 網戸だけにする
- 換気のために施錠を忘れる
といった状況が起こりやすくなります。
犯人から見ると、こうした「無施錠の窓や出入口」は侵入しやすい場所になります。
特に就寝中は、住人が物音に気付きにくく、防犯への意識も薄れやすい時間帯です。
そのため夏場は、「家にいるから安心」ではなく、「寝ている時間こそ狙われる可能性がある」と考える必要があります。
忍込み対策では、短時間の換気や暑さ対策であっても、就寝前には必ず窓や玄関の施錠を確認することが重要です。
近年では、工事不要で設置できる家庭向け防犯カメラも登場しています。
忍込みは、侵入されない環境を作ることも重要です。
\工事不要の防犯カメラ/
3. 職業泥棒は約3000人いるという説は本当?

「忍師(のびし)」と呼ばれるような忍込みを行う泥棒について調べていると、もう一つ気になる話があります。
それが、
「日本には泥棒だけで生活している職業泥棒が約3000人いる」
という話です。
一般的には、泥棒というと「一時的に犯罪をする人」というイメージがあります。
しかし、世の中には盗みを繰り返し、それを生活の手段としている「職業泥棒」と呼ばれる存在がいるといわれています。
では、この「約3000人」という数字は、いったいどこから出てきたのでしょうか。
-約3000人という数字の出典-
「職業泥棒は日本に約3000人いる」という話は、元神奈川県警刑事で、主に捜査三課で窃盗犯捜査を担当していた小川泰平氏の発言として紹介されています。
2015年、TBSテレビ『ジョブチューン・アノ職業のヒミツぶっちゃけます!』に出演した小川氏への取材記事では、「泥棒の稼ぎだけで生活している泥棒は『職業泥棒』と呼ばれ、日本に3000人ほどいると言われている」という内容が紹介されました。
この数字は、警察官として長年、空き巣や金庫破りなどの窃盗犯と向き合ってきた小川氏の経験や捜査現場での知見をもとにしたものと考えられます。
また、同記事では、職業泥棒の特徴として、一人の犯人が非常に多くの余罪を持つケースがあることも紹介されています。
例えば、逮捕した空き巣犯に数百件単位の余罪が判明することや、場合によっては数千件規模の余罪が確認された例もあると、小川氏は説明しています。
つまり、「3000人」という人数だけを見ると少なく感じますが、常習的な窃盗犯の場合、一人が多数の被害を生み出す可能性があるということです。
-公的統計では確認できない-
ここで注意したいのは、「職業泥棒約3000人」という数字は、公的な犯罪統計によって確認された人数ではないという点です。
警察庁が公表している犯罪統計では、
- 窃盗事件の認知件数
- 検挙件数
- 検挙人員
- 侵入盗などの犯罪種類
といったデータは公開されています。
しかし、
「泥棒だけで生活している人」
という分類で人数を集計した統計は公表されていません。
そのため、「約3000人」という数字は、警察庁が発表した公式な人数ではなく、窃盗犯捜査の経験を持つ小川泰平氏による推定・見解として紹介されている数字と考えるのが適切です。
また、この発言が紹介された記事は2015年のものであり、現在(2026年時点)も同じ人数が存在するのかについては確認できません。
犯罪の手口や社会状況は時代によって変化するため、「約3000人」という数字は現在の実数ではなく、当時の捜査現場から見た職業泥棒の規模感を示した数字として捉える必要があります。
「約3000人」という数字は、あくまで推定であり、現在の正確な人数を示したものではありません。
しかし、この話で注目すべき点は、人数の多さだけではありません。
重要なのは、少人数であっても、常習的な窃盗犯は一人で多数の被害を生み出す可能性があるということです。
実際、長年にわたり窃盗を繰り返す犯人の中には、数百件以上の余罪が判明するケースもあります。
そのため、「職業泥棒が約3000人しかいないから安心」と考えることはできません。
「忍込み」のような住宅への侵入窃盗は、身近な家が被害に遭う可能性がある犯罪であり、犯人の人数だけで危険度を判断することはできないのです。
4. 少数でも被害が大きい理由

「職業泥棒が約3000人いる」という話を聞くと、人によっては、、
「日本全体で見ると、それほど多くないのでは?」
と感じるかもしれません。
しかし、侵入窃盗の怖さは、犯人の人数だけでは判断できません。
重要なのは、少人数の常習犯であっても、一人が繰り返し犯行を行うことで、大きな被害につながる可能性があることです。
-職業泥棒は常習犯である可能性が高い-
「職業泥棒」と呼ばれる存在は、単発的に盗みを行う人とは違い、盗みを生活の手段としている人物を指します。
そのため、一度だけ犯行に及ぶのではなく、繰り返し窃盗を行っている可能性が高いと言えるでしょう。
特に住宅を狙う侵入窃盗では、同じ犯人が長期間にわたって犯行を続けることで、被害件数が増えていくケースがあります。
つまり、「約3000人」という数字だけを見ると少なく感じるかもしれません。
しかし、重要なのは人数ではなく、その中に常習的に犯行を繰り返す人物が含まれている可能性があるという点ではないでしょうか。
-1人当たりの余罪が多いことが被害を拡大させる-
侵入窃盗事件では、犯人が逮捕された後に、多くの余罪が判明するケースがあります。
中には、数十件から数百件単位の犯行が明らかになることもあり、一人の犯人によって多数の被害者が生まれる場合もあります。
このように考えると、職業泥棒の危険性は、単純な人数だけでは測れません。
仮に人数が限られていたとしても、一人ひとりが繰り返し犯行を行えば、被害は広範囲に及ぶ可能性があります。
「職業泥棒が約3000人いる」という話で注目すべきなのは、人数そのものではなく、一人の犯行が多くの家庭へ影響を与える可能性があるという部分なのです。
「3000人しかいない」のではなく「3000人でも被害は大きい」
「職業泥棒が約3000人いる」という話を聞くと、「日本全体から見れば少ない人数なのでは?」と思うかもしれません。
しかし、侵入窃盗の被害を考える場合、犯人の人数だけで危険度を判断することはできないでしょう。
重要なのは、少人数であっても、常習的な窃盗犯が存在すれば、多くの住宅が被害に遭う可能性があるということです。
特に「忍込み」のような侵入窃盗は、単に金品を盗まれるだけではありません。
自宅という本来安心できる場所へ侵入されることで、被害者には大きな精神的負担が残る場合もあります。
そう考えると、「約3000人」という数字は、単なる人数の多さを示すものではなく、少数の常習犯でも社会に大きな影響を与える可能性があることを示す一つの目安と言えるでしょう。
まとめ|忍師(のびし)とは何者なのか?

今回、「忍師(のびし)」という聞き慣れない言葉が話題になりました。
しかし、調べてみると「忍師」は正式な犯罪名称ではなく、夜間に住宅へ忍び込む窃盗犯を表現する俗称として使われていることが分かります。
正式には「忍込み(しのびこみ)」と呼ばれる侵入窃盗の手口です。
今回の記事のポイントを整理すると、以下のようになります。
- 「忍師(のびし)」は正式名称ではなく俗称
- 警察などで使われる正式な分類は「忍込み」
- 空き巣は留守宅を狙うが、忍込みは住人が寝ている住宅を狙う
- 居空きは在宅中の隙を狙う手口で、忍込みとは状況が異なる
- 職業泥棒約3000人という話は、小川泰平氏の発言をもとにした推定であり、公的統計で確認された人数ではない
- 少人数であっても、常習的な窃盗犯は一人で多くの被害を生み出す可能性がある
「職業泥棒が約3000人いる」という話だけを見ると、人数の多さに注目してしまいます。
しかし、侵入窃盗で本当に注意すべきなのは、犯人の人数ではありません。
一人の常習犯によって、多くの家庭が被害に遭う可能性があること。
そして、忍込みのように「家族がいる住宅」へ侵入される危険性があることです。
夏の夜は、窓を開けたまま寝てしまうなど、防犯意識が緩みやすい時期でもあります。
「家にいるから大丈夫」と考えるのではなく、就寝前の施錠や防犯対策を見直すことが、忍込み被害を防ぐ第一歩と言えるでしょう。
\工事不要の防犯カメラ/
