2025年8月1日、映画の公式サイトやSNSで、10月10日に予定されていた日本での劇場公開が中止されることが発表されました。
公式の声明では、「日頃のご支援に感謝申し上げるとともに、ご理解のほどお願い申し上げます」と述べられていますが、具体的な理由は明示されていません。
今回は日本公開中止となった考えられる理由について推測を立ててみました。
※あくまでも個人的な推測です
1. 本国アメリカでの興行的大失敗
『M3GAN/ミーガン 2.0』劇場公開中止のお知らせ
— 映画『M3GAN/ミーガン 2.0』公式 (@m3gan_JP) August 1, 2025
10月10日(金)に日本劇場公開を予定しておりました『M3GAN/ミーガン 2.0』につきまして、劇場公開を中止することを決定いたしましたのでお知らせいたします。
日頃のご支援に感謝申し上げるとともに、ご理解のほどお願い申し上げます。 pic.twitter.com/C9ivXNRaLM
引用元/@m3gan_JP Xより
最も大きな要因は、アメリカでの興行収入の極端な不振だと考えられます。
- オープニング週末: わずか1,020万ドル(国内)、1,700万ドル(世界全体)
- 前作との比較: 前作『M3GAN』のオープニング3,042万ドルのわずか3分の1
- 最終興行収入: 国内2,400万ドル、世界累計3,900万ドル(製作費1,500~2,500万ドル)
- 予想との乖離: 公開10週前の予想では4,500万ドルとされていたが、実際は大幅に下回る結果
公開中止の背景には、全米での興行成績が不振であったことが考えられます。
前作『M3GAN』はオープニング興行収入が3040万ドル(約44億円)を記録しましたが、続編の『M3GAN 2.0』は約1000万ドル(約15億円)にとどまり、前作の約3分の1の成績でした。
このような興行不振が、日本での公開中止に影響を与えた可能性があります。
2. ジャンルの路線変更による失敗
プロデューサーのジェイソン・ブラム氏が明確に認めた問題点があります。
- ホラーからSFアクションへの転換: 前作の不気味なホラー要素を捨て、『ターミネーター』風のアクション映画に変更
- キャラクターの位置付け変更: 悪役から善玉ヒーローへの転換
- 「我々は皆、ミーガンをスーパーマンのような存在だと思っていた」: 観客との結びつきを過信し、「典型的な過ち」を犯したとブラム氏が反省
前作が不気味なAI人形によるホラー要素が強かったのに対し、続編では『ターミネーター』のようなSFアクション要素が強くなったとの指摘があります。
この路線変更が、一部の批評家や前作のファンから「ホラーとしての魅力が失われた」と見なされた可能性が考えられます。
3. 公開時期の戦略ミス
- 前作の成功要因を無視: 前作は1月の「映画館閑散期」に公開して成功
- 夏の激戦区での公開: ブラッド・ピット主演『F1』など大作ひしめく夏に公開し、埋没
- ホラー映画の最適期を逃す: 10月のハロウィーン シーズンではなく6月末に公開
前作の成功要因や夏の激戦区での公開など、細かに考えすぎた部分での失敗もあるのかもしれません。
4. AI技術への社会的認識の変化
- 2023年vs2025年のAI認識: 前作公開時はAIがまだ「架空の脅威」だったが、現在は現実的な脅威として認識
- エンターテイメント性の減少: AIによる雇用への脅威などが日常的に報道される中、AI恐怖をエンターテイメントとして楽しむ余裕が減少
現在はAI技術が急激に発展しています。
この流れから社会的認識のズレが生じたとも言えるかもしれません。
AIが広く認識される中で、エンターテイメントとして楽しむ余裕が減少と言われるのも、実際に制作する側のリアリティが感じられなくなったのかもしれないですね。
5. 配給会社の経営判断
公式発表では理由が明示されていませんが、以下の要因が推測されるのではないでしょうか。
- 追加投資のリスク回避: 宣伝費、字幕・吹替制作費、劇場確保費用などの追加投資リスク
- 過去の類似事例: ソニー・ピクチャーズ『ウルフズ』(ブラッド・ピット、ジョージ・クルーニー共演)も本国の戦略変更により直前で日本公開中止
- ブラムハウスの低迷期: 同スタジオの2025年作品『ウルフマン』『ザ・ウーマン・イン・ザ・ヤード』『ドロップ』も相次いで興行不振
上記からの配給会社の都合により、日本の公開を中止したのではないでしょうか?
また、別の視点として、スマートフォンの普及による視聴習慣の変化も影響しているかもしれません。
テレビ離れが進む現代では、どんな良作であっても、かつてのように必ずしも興行的に成功するとは限らないという背景も、配給会社のリスク判断に少なからず影響を与えた可能性はあります。
しかし、日本のファンの反応では公開中止の発表に対して、SNSでは多くのファンが驚きと失望の声を上げており、「な、なんで…」「楽しみにしてたのに」といったコメントが寄せられ、ファンの期待が高かったことが伺えます。
アメリカだけの視点や観点だけで考慮せず、日本には日本の価値観があるでしょうから、そこを踏まえて公開してほしかったですね。
延期してでも、改めて公開してほしいところです。
※配給会社の経営判断については個人的な推測です
*参考元 | URL |
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Yahoo!ニュース | https://news.yahoo.co.jp/articles/171c66a77fc1cb52dd59750d325e6d8a5b25ef40 |
THE RIVER | https://theriver.jp/m3gan2-canceled/ |
まとめ
『M3GAN/ミーガン 2.0』の日本公開中止は、本国での予想を大幅に下回る興行的失敗が最大の要因と考えられます。
特に、成功した前作の魅力的なホラー要素を捨ててSFアクションに転換したジャンル変更が裏目に出て、製作陣自身が「典型的な過ち」と認める結果となりました。
日本の配給会社としては、追加投資に見合うリターンが期待できないと判断されたのではないでしょうか?