7月23日放送の奇跡体験!アンビリバボーで、『鹿児島県で起きた土石流に襲われた逃げ場なき650人』という内容が取り上げられています。
番組では、2010年に この内容が放送されていたことがありましたので、ご存知な方もおられるのではないでしょうか。
放送内容と相違があるかもしれませんが、今回は この経緯について簡潔にまとめてみました。
※番組内容と相違があるかもしれません
1. 竜ヶ水地区土石流の経緯について
引用元/Googleマップより
所在地:〒892-0871 鹿児島県鹿児島市吉野町
1993年8月6日、鹿児島市では1時間に99.5mmの猛烈な集中豪雨が発生しました。
この豪雨により、竜ヶ水地区では土石流が発生し、国道10号とJR日豊本線が土砂に埋まり、交通が寸断され、約650人から3,000人が孤立する事態となります。
特に、竜ヶ水駅では停車中の列車が土石流に襲われ、乗客約330人が危険な状況に置かれました。
- 1993年8月6日の夕方から夜にかけて、鹿児島県に記録的な集中豪雨が発生
- 梅雨前線の停滞と台風の影響により、大気が非常に不安定化
- 鹿児島地方気象台で日雨量259.5mmを記録
- 先行降雨により地面が飽和状態にあったことが災害を拡大
- 午後8時頃、鹿児島市吉野町竜ヶ水地区の姶良カルデラ壁で土石流が多発
- 約30か所で土石流が同時発生
- 海沿いを走る国道10号とJR日豊本線が完全に寸断
竜ヶ水地区では、30か所以上の土砂崩れが発生し、国道10号線の4キロ区間が完全に寸断されたようです。
このため、周辺の住民や通行人が大きな危険にさらされました。
孤立した人数と状況
- 列車の乗客:JR日豊本線竜ヶ水駅に停車中の列車に約330人
- 国道利用者:約800台の自動車とその乗員
- 地域住民:花倉病院の患者・職員を含む周辺住民
- 合計:約3,000人(一部報告では4,000人とも?)が孤立
※Wikipediaでは、竜ヶ水駅停車中の列車乗客人数は約2,500人とのこと
現場の状況
- 土石流により車両約1,200台が立ち往生
- JR竜ヶ水駅の車両2両が土石流で大破(乗務員の適切な誘導により乗客に犠牲者なし)
- 逃げ場がない状況:前方は土石流、後方は海
※孤立状況の人数には誤差があるかもしれません
ウィキペディア情報での竜ヶ水駅停車中の列車乗客人数は、約2,500人となっていますが、これは おそらく国道10号線で孤立した車両のドライバーや乗客、および列車に乗っていた乗客を合わせた「全体の孤立者数」を指している可能性があるかもしれませせん。
当時の複数の報道で「国道10号とJR日豊本線の線路に土砂が流れ込み、ドライバーや乗客らおよそ3000人が孤立しました。」と記載されています。
この中の鉄道利用者は約330名だったと推測されます。
2. 逃げ場なき650人の救出劇とは?
竜ヶ水災害復旧記念碑。 pic.twitter.com/eCtZlhwPYO
— Ryusuke IMURA (@tigers_1964) June 5, 2019
引用元/@tigers_1964 Xより
当時の状況は陸路が完全に遮断されたため、海上からの大規模救助作戦が展開されました。
孤立した人々は、漁船やフェリー、海上保安庁の巡視船によって救助されています。
※救助:海上保安庁、桜島フェリー、自衛隊、民間の漁船
夜間に救助が行われ、多くの人々が無事に脱出しましたが、土石流によって3人の方がお亡くなりになりました。
また、救助活動に従事した運転士の方が、2週間後にお亡くなりになっています。
他に県知事も孤立者として含まれており、災害対策本部長として自動車電話で指示を出していたとの情報があります。
人的被害(全体の内:8・6水害)
- 死者・行方不明者:49人
- 重軽傷者:349名
- 竜ヶ水地区では土石流の直撃で4人が死亡
- 花倉病院では16人が犠牲となった
物的被害
- 建物被害:64,000棟
- 被害総額:3,000億円
- JR日豊本線の車両2両が大破
番組では、650人の救出劇とありますが、海上保安庁の救出した人数は1,364人であり、13人の遺体を収容したという情報があります。
救出人数に違いがありますが、650人の方の救出は、余程困難な場所だったのかもしれないですね。
番組では、具体的な詳細が語られているのではないでしょうか。
因みに、この災害は「8・6(ハチロク)水害」または「平成5年8月豪雨」と呼ばれる大災害の一部として記載されています。
*参考元 | URLなど |
---|---|
Wikipedia | 平成5年8月豪雨「ウィキペディア (Wikipedia): フリー百科事典」 |
かだいおうち | https://www.sci.kagoshima-u.ac.jp/oyo/advanced/disaster/1993.html |
KTS鹿児島テレビ | https://www.kts-tv.co.jp/news/23324/ |
まとめ
番組で取り上げられた『鹿児島土石流に襲われた逃げ場なき650人の救出劇』の経緯についてでした。
1993年8月6日、鹿児島県で発生した「8・6豪雨災害」は、集中豪雨による土砂崩れと冠水が引き起こした大規模な災害です。
当時、鹿児島市の竜ヶ水地区では、国道10号線とJR日豊本線が土砂に埋まり、約3,000人が孤立しました。
特に、竜ヶ水駅に停車中の列車の乗客330人が危険な状況に置かれました。
この竜ヶ水地区の災害は、自然災害における人命救助の困難さと危険性を再認識させる出来事となり、関係機関の連携による大規模救助作戦の成功例として、現在も防災教育の重要な教訓となっています。