2026年6月10日放送の『世界の何だコレ!?ミステリー』で、北海道の山中で発見された巨大な「SOS」の文字が取り上げられ話題となっています。
このSOSは、1989年に北海道の山岳地帯で発見されたもので、当初の遭難者とは別の人物が残した可能性があることから、大きな注目を集めました。
その後の捜索では遺留品や遺骨も発見されましたが、誰がSOSを作ったのか、なぜその場所で亡くなったのかなど、現在も解明されていない点が残されています。
一方で、この巨大なSOSの存在は後年の遭難者の発見にもつながったとされ、単なる未解決の謎としてだけではなく、遭難や救助について考えさせられる出来事として語り継がれています。
この記事では、北海道で発見された巨大SOSの経緯や、ある動画での推測を交えて残る謎について触れています。
1. 巨大なSOSの文字があったのは大雪山系
この文字がある場所は北海道の大雪山系にある旭岳のニセい金庫岩より下側(南側)になります。
#分かりやすく山岳遭難事件を伝える
— SPQR (@SPQRPaxRomana) May 2, 2025
———1989.7.24———
北海道 旭川東警察署
警察官「いやー、よくあの短時間で巨大なSOSの木文字を作れましたね。お陰で空からの捜索が捗りましたよ」
救助された登山者「SOSの木文字?私達そんなもの作っていませんよ」
警察官「え?」
救助された登山者「え?」 pic.twitter.com/bJ08MebVY2
当時の新聞記事では、、
- 旭岳山頂から約4km南
- 忠別川源流部
- 融雪沢(ゆうせつざわ)付近
- 標高1400~1500m
と報じられていました。
37年前のことですので、現在は衛星写真でも確認できず、当時の木文字は自然の中に消えてしまったのかもしれません。
しかし発見地点とされる旭岳南方の融雪沢周辺は、今も地図上で確認することができます。
2. 巨大SOS発見の経緯

この巨大SOSの文字は、ウィキペディアで「SOS事件」や「SOS遭難事件」とあります。
事件の経緯を簡単に説明しておきます。
1989年7月、北海道・大雪山系の旭岳周辺で別の遭難者(二人)をヘリで捜索していたところ、湿原に倒木で作られた巨大な「SOS」の文字が発見されました。
ところが、救助された遭難者たちは「自分たちはそんなものを作っていない」と証言します。
そこで翌日に周辺を詳しく捜索した結果、「SOS」の文字付近から次のような物が見つかりました。
- 人骨
- リュック
- 身分証
- カメラ
- カセットテープ
当初は人骨は女性と見られていましたが、その後の調査で、遺留品は1984年に旭岳で行方不明になっていた愛知県の男性会社員のものとみられ、最終的に発見された人骨もその男性のものと判断されました。
つまり、この事件は、1984年に遭難した人物が残したと思われる「SOSの文字」が、1989年の別件捜索で発見された二人の遭難者が救われたということになります。
3. 現在も残る謎?

この事件が特に有名になったのは、単に白骨遺体が見つかったからだけではありません。
いくつかの謎が現在も残っているのです。
「これほど大きなSOSを作れる体力があったのに、なぜ下山できなかったのか」
「なぜテープに“助けてくれ”という声を残したのか」
「なぜ発見場所とテープの内容にズレがあるのか」
などの謎が残るのです。
#今日は何の日
— 敷島_金鵄@侏儒の艦提 (@551_confucius) July 24, 2025
「崖の上で身動きとれず。SOS。助けてくれ」
1989年:大雪山系旭岳で行方不明になった登山者2名を警察が捜索中、SOSの流木を発見し、彼らを救助
ところが彼らはその流木を作っておらず、再度近くを探索した所、救助を求める録音テープと共に白骨遺体が発見された(北海道SOS遭難事件) pic.twitter.com/rLPFnG9qWV
カセットテープの内容は以下の通りです。
SOS、助けてくれ、崖の上で身動き取れず、SOS、助けてくれ。
場所ははじめにヘリに会ったところ。
ササ深く、上へは行けない。ここから吊り上げてくれ
引用元/SOS遭難事件「ウィキペディア (Wikipedia): フリー百科事典」
過去にTBSの検証番組でも、テープには「場所ははじめにヘリに出会ったところ」「崖の上で身動きがとれない」といった趣旨の内容があったと紹介されています。
| *参考元 | URL |
|---|---|
| TBSアーカイブ | https://web.archive.org/web/20200921135435/http://www.tbs.co.jp/nippon-kakomon/20170301.html |
4. YouTube動画の推測説について

「生きて山から帰るには【山岳遭難解説】」というYouTube動画で軸になっているのは、怪奇現象や陰謀論ではなく、地形と判断ミスが重なった“山岳遭難”として理解すべきだという見方をされています。
動画制作者の方は、事件をミステリーとして消費するよりも、道迷い→閉じ込め→救助待機→力尽きてしまったという悲しい結末を推測しているわけですが、これらを現実的な遭難プロセスとして説明されていました。
では、この動画の推測説について触れていきます。
①まず、道を間違えた原因

動画では、遭難者は下山中に濃霧や地形の見誤りで正規ルートを外したと推測しています。
特に、山頂付近の目印になる岩(金庫岩とニセ金庫岩)を誤認し、本来進むべき方向ではない斜面へ入ってしまったのではないか、というのが基本線です。
いったん外れると、最初は下りやすい斜面でも、先に進むほど危険地形に入り込み、自力復帰が難しくなると説明しています。
②「蟻地獄のような地形」に入ってしまった
動画の推測で重要なのは、遭難者が入った斜面は、最初は歩けそうに見えるのに、その先が笹原・急斜面・崖になっていて、下るほど戻れなくなる“閉じ込め型”の地形だったという点です。
つまり、、
上から見ると行けそう
下ると止まれない・登り返せない
最終的に崖上などで身動きが取れなくなる
という流れです。
これにより、「SOSを作る元気はあっても、脱出はできなかった」という矛盾を説明しようとしています。
③なぜ巨大な「SOS」を作ったのか
動画では、遭難者は一度ヘリか航空機を見た、あるいは“上空からしか見つけてもらえない”と悟ったため、次に上から誰かが見た時に確実に気づいてもらう目的で、あの巨大なSOSを作ったと推測しています。
この説だと、SOSは単なるパニックの産物ではなく、かなり理性的な救助手段です。
逆に言えば、それほどまでに地上からは脱出不能、空から見つけてもらうしかない状況だった、と動画ではそのように見られているようです。
④テープレコーダーの声は何を意味するのか?
事件で特に不気味に語られるのが、カセットテープに残された「SOS、助けてくれ」「崖の上で身動きが取れない」といった内容です。
動画ではこれを、遭難者が自分の状況を記録したもの、あるいは自分が声を出せなくなった時に再生して救助者に気づいてもらうための手段として解釈しています。
つまり、、
まず崖上で動けなくなる
そこで音声を録音する
その後、何とか別地点へ移動する
最後にSOS文字の近くで力尽きてしまった
こういった流れであれば、テープの内容と遺留品の位置関係のズレを説明できる、というわけです。
ただし、テープレコーダーの声が亡くなられた男性かはハッキリとしません。
ウィキペディアによると、男性の両親にテープレコーダーの声が息子さんであるかを確認したところ、断定はできなかったそうです。
⑤「人骨が女性と誤認された」点について
当初、人骨は女性のものではないかと鑑定され、事件をさらに不気味にしました。
動画では、これは初期段階で骨の一部しかなく、条件が悪かったために起きた誤認の可能性があると説明しています
後の再鑑定で、遺骨は行方不明男性本人のものと判断され、ここは“怪異”ではなく捜査・鑑定上の混乱として整理しています。
この動画の推測説は、「遭難者は霧や地形の罠でルートを外し、戻れない斜面と崖に追い込まれ、空から見つけてもらうために巨大SOSを作り、録音も残したが、救助を待つうちに力尽きてしまった」というものです。
超常現象ではなく、正常性バイアスと地形判断ミスが生んだ悲劇として説明されています。
この推測経緯の動画が気になる方は視聴してみてください。
| *参考元 | URL |
|---|---|
| 生きて山から帰るには【山岳遭難解説】 | https://youtu.be/WEcAvtPWKa0?si=hJc1CaMU-Szz2tNu |
5. ルートの細部には異説もある?
関連資料によれば、動画で強調される山頂付近の目印誤認だけでなく、旭岳東の鞍部で残雪や踏み跡の消失によってルートを失い、遭難場所へ続く斜面に入り込んだ可能性も指摘されています。
つまり、「どこで決定的に道を外したか」の細部は断定しきれませんが、残雪・濃霧・目印の乏しい斜面・登り返し困難な地形が重なった、という大筋は共通していると見られているようです。
当時、1984年7月に残雪や濃霧があったのかについては具体的なことが分かっていません。
まとめ
この事件は「1984年の単独遭難者が残したSOSが、1989年の別件捜索で発見された事件」です。
YouTube動画の推測説では、「遭難者は一度の道迷いから、戻れない地形に閉じ込められた。だからSOSは作れても脱出できなかった」という説明が中心になっています。
この動画の推測はかなり本質をついているのではないでしょうか。
ただ、SOSの文字を男性が作ったという確証はありません。
過去のテレビ特集では、、
- 巨大SOSを誰が作ったのか
- 発見された人骨の正体
- 「助けてくれ」テープの謎
- 現場の特殊な地形
- 遭難者が脱出できなかった理由
こういった部分が定番の論点でした。
今回の「世界の何だコレ!?ミステリー」も、おそらくこの未解決部分の検証や新しい考察を中心に構成される可能性が高いのではないでしょうか。
番組では さらに具体的な詳細が語られるのかもしれません。
当時の関係者からは、亡くなった男性会社員について真面目で優秀な人物だったという証言も伝えられています。
現在も残る謎に関心が集まる一方で、この事件が実際に起きた遭難事故であることに思いを寄せながら、記憶にとどめておきたいところです。
