茨城県取手市にあるキリンビール工場で作業員の方が亡くなられてしまったという残念な事故が起きています。
昨年(2023年)の10月にも転落事故があったようですね。
再発防止策はどうなっているのかについても疑問が残ります。
筆者は過去に取手市ではないですが、キリンビール工場の下請けで勤務していた時期があります。
勤務していた頃から労災事故はいくつかあり、何故起こるのか不思議に感じる事もありました。
今回は工場内で事故が起きる要因について推測してみました。
ただ、この推測は筆者が工場内で勤務していて感じた事なので、実際は違う可能性もあるので鵜呑みにはしないでください。
あくまでも、1つの見方として聞いてください。
工場内事故の要因を推測!
筆者がキリンビール工場の下請けで勤務していた頃に、いくつかの労災で感じた事を推測しています。
おそらく、全国のキリン工場や他の企業でも起こりえる事かもしれません。
推測は次の通りです。
*工場内事故の要因を推測!
・①人手不足!
・②1人の労働者負担が多い!
・③下請け企業に任せすぎ!
・④再発防止策が忘れられている!
キリンビール工場内事故の要因は上記の通りです。
見てお分かりのように、ほとんどが人手不足に直結した内容になります。
これらの項目が何故 事故の要因になるか疑問に感じる方が多いかもしれません。
筆者は1996年(平成8年)に下請け企業に入社し、キリンビール工場内で一時期勤務していましたが、2003年(平成15年)に退社しました。
そして、他企業に勤務してから16年後の2019年に再び、かつての下請け企業に再入社しています。
約30年前のキリンビール工場内の状況と現在は随分と変化していました。
その約30年前との違いで感じたのが上記の項目です。
話が少し逸れてしまいましたが、項目について触れていきます。
①人手不足、②1人の労働者負担が多い!
約30年前のキリンビール工場内の記憶を辿ると、当時はキリン社の社員さんだけで人材が多い時代でした。
筆者も何人いたのかは把握してはいませんが、お昼ごろの食堂内が常に人で溢れているほどです。
協力会社の下請けも多いので1時間ずらしても多かったのを記憶しています。
2019年に再び入社しましたが、約30年前当時とは違いキリン社や協力会社も社員数が明らかに減少していて食堂内も人が込むことは無く、入りやすい環境に変わっていました。
人手不足になったのは、おそらく瓶ビールの需要が減少していて、若者のビール離れや第3ビール、発泡酒、酎ハイの購入価格が安いなどが原因としてあると思われます。
ここでの過去との違いは人手不足により、1人の労働者負担が多くなったと見ています。
瓶ビールの需要が多い頃は工場の稼働も2交代でしたが、現在はほぼありません。
その時に機械の調子が悪い状態であれば、最後まで1人で作業をやり続ける事にもなるわけです。
1人が受ける労働負担も当然 多くなります。
職場において安全や危険は場所によって様々だと思いますが、1人だけの作業はリスクを伴う可能性があります。
過去は稼働が長引くと人員もいたので、休憩を取らせるなど対策が成されていましたから、何か作業員にあれば気付けた部分はあると思います。
現在は、そんな対策は少なくなっているのではないでしょうか。
作業員1人1人を見る目が無くなってきているかもしれません。
ただ、キリンビール工場も労災事故を危惧されたのかは分かりませんが、2021年頃に場所にもよりますがモニターが設置されています。
いくらかは事故防止に繋げている部署もあるのだと思われます。
③下請け企業に任せすぎ!
先ほどキリン社の社員さんが約30年前より、現在は随分と減少していることを述べました。
現在、過去にキリン社の社員さんが担っていた作業を下請け企業に任せているのが現状です。
おそらく、他のビール会社も同じではないでしょうか。
特に缶ビール、缶の発泡酒、缶の第3ビール、缶酎ハイなどの製造は稼働時間が長く、3交代で人員を配置しています。
現在はキリン社の社員さんだけでは、おそらく稼働できないので協力している下請け企業が多いと思われます。
筆者も過去に缶関係の作業に従事していましたが、当初行っていた作業量は徐々に増えていました。
しかし、キリン社では更に作業量を増やそうとする傾向と計画があり、筆者は危惧していました。
別に作業量が増えることが悪いという事ではなく、できることなのか、できないことなのかが明確な判断がつかなかったのです。
例えば、機械設備の稼働を2つ見ていたとして両方の設備が同じ時間に、時間のかかる作業を強いられる事や、または機械設備の稼働で3つに増やされた時に同じ時間に同様な事ができるのかという作業の問題です。
部署としては、危険な場所や物が無いとは言えませんが、何事もなく 何とか1人作業をこなしていました。
これも先ほどの1人の労働者負担が多いという事と同じですが、、
一旦引き受けると、同じ時間帯に作業が発生しても補助してくれる事も無いでしょうから、迂闊に試すことも出来ません。
余談ですが、筆者は部署の先行きが見通せなかったので退社したことから現在は、どうなっているのかは分かりません。
続いて筆者の話とは脱線しますが、茨城県取手市のキリンビール工場で起きた事故について、ヤフーニュースのあるコメント覧に目が留まりました。
そのコメントされた方は、取手市のキリンビール工場で勤務されていた事があるそうです。
その方が語られているのは、事故被害に遭われた方はキリンの社員さんではないのではないかという事です。
ほとんどが協力している下請けの業者さんであるとのことなので、事故被害に遭われた方は下請けの業者さんと見ています。
筆者が勤務していた工場も協力している下請け企業は多いので、筆者も事故被害に遭われた方は下請けの業者さんの可能性が高いのではないかと思っています。
被害について詳しいことは存じませんが、下請け企業に任せすぎた部分もあるのではないかと思われます。
取手市のキリンビール工場の企業マニュアルがどんなものであるかは分かりませんが、筆者が勤務していた工場と同様に1人作業を強いられていたのではないでしょうか。
下請け企業に任せすぎる事や1人作業の負担など、作業量について考慮する必要があると感じます。
先ほども記載しましたが、取手市のキリンビール工場にモニターがきちんと設置されていたのかは存じないですが、あれば事故被害は防げたのではないでしょうか。
④再発防止策が忘れられている!
筆者が勤務していたキリンビール工場でも、いくつかの労災事故がありました。
詳しいことは控えさせていただきますので、簡潔に述べます。
項目にあるように過去に対策した再発防止策が忘れられていることがありました。
作業者が通常の定められた通路を通らずに、近くの通路を通ったことから労災事故に繋がりました。
この近くの通路は以前に事故被害があり、再発防止策として通らないように看板が設けられていたのですが、年月の経過でいつの間にか忘れられていたようなのです。
事故被害にあった方が看板を認識していたのかは不明ですが、年月の経過で看板の文字が消えかかっていたのかもしれません。
情報なども引き継いでいないのではないでしょうか。
当時の再発防止マニュアルが残っているのかは分かりませんが、年月が経過しても知り得ていたら防げていた事かもしれません。
まとめ
キリンビール工場内事故の要因を推測してみました。
*工場内事故の要因を推測
・①人手不足!
(約30年前より、現在は随分と人材が減少)
・②1人の労働者負担が多い!
(交代要員がいないので、最後の作業を終了するまで1人だけが残る事が多い)
・③下請け企業に任せすぎ!
(作業量が増えたことで時間に余裕がなく、焦りや苛立ちから労災事故に繋がる可能性がある?)
・④再発防止策が忘れられている!
(状況を知り得ている人がいなくて、情報を引き継げていない?)
※②は瓶製造でのことです
上記がまとめたものです。
工場内事故の要因は、ほぼ人手不足から影響していると見ていますが、他には経費削減もあるのではと感じてもいます。
筆者が勤務していた頃に使っていた工場内の備品の質が悪くなっていました。
別に経費削減は中小企業でも行ってますから悪くはありませんが、中には使えないものもあったので、そこは問題であると感じました。
どこの企業にも言えますが、現在は正社員を雇いたくないと考える企業は多いですし、気持ちも分かります。
人材を雇えば、そこにも経費がかかりますから下請け企業に協力してもらうことで経費が抑えられているのでしょう。
今後も人手不足が懸念されるとは思いますが、上記の事を考慮して対策してほしいことを願いますね。
※ただ、この推測はあくまでも筆者が工場で勤務して感じた事なので、実際は違う可能性があるかもしれないので鵜呑みにはしないでください。