中村鷹之資(なかむら たかのすけ)さんは、五代目 中村富十郎(なかむら とみじゅうろう)さんの長男として生まれ、歌舞伎の世界で活躍する若手役者です。
彼の家系は、日本の伝統芸能に深く根ざしており、父の富十郎さんは人間国宝として知られています。
鷹之資さんは1999年4月11日に東京で生まれ、幼少期から歌舞伎の道を歩んできました。
12月9日放送の「さんま御殿」では、苦労した経緯が語られているようです。
今回は 彼の家系図や経歴、また生活が激変した苦労について触れていきます。
1. 中村鷹之資さんの家系図と経歴
中村鷹之資インタビュー 天王寺屋ゆかりの道成寺ものと、勘九郎との四段返しで第十回『翔之會』に挑む #中村鷹之資 #翔之會 https://t.co/ZA2xIweCrW pic.twitter.com/OfUdEyd55P
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1-1. 中村鷹之資さんの家系について
中村鷹之資さんは、非常に華麗な歌舞伎・舞踊の家系に生まれています。
- 曽祖父:十五代目 市村羽左衛門
(※父方の母方:フランス系ハーフの美貌の人気役者) - 曽祖父:二代目 坂東彦十郎
- 祖父:四代目中村富十郎
- 祖母:初代吾妻徳穂
(日本舞踊吾妻流を再興した宗家・家元) - 父:五代目中村富十郎
(1929年-2011年、人間国宝) - 母:久邇瑳代子
(元女優、本名:橋爪正恵) - 妹:渡邊愛子
(日本舞踊家、2024年9月より「初代 芳澤壱ろは」として活動開始)
祖母は初代 吾妻徳穂(あづま とくほ)さんという名家の日本舞踊家元です
因みに、祖母の初代 吾妻徳穂さんの孫娘が二代目 吾妻徳穂さん(宗家)であり、その配偶者が成駒家の四代目 中村鴈治郎さんです。
そのため、鷹之資さんは、二代目 吾妻徳穂さんの息子 中村壱太郎(なかむら かずたろう)さんとは血縁の親族関係にあたります。
徳様とびっくりバッタリ☺️
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大阪文楽劇場
文楽 『#曽根崎心中』
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すごく道行に感動しました。
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また、祖父の四代目 富十郎さんには初代 中村亀鶴(なかむら きかく)さんという息子さんがおられました。
父の五代目 富十郎さんと初代 中村亀鶴さんは異母兄弟になります。
初代の亀鶴さんには息子さんがおり、二代目の亀鶴を2001年に襲名しています。
歌舞伎俳優・中村亀鶴さんが来校🏫✨照明スタッフをめざす学生たちへアドバイスをくれました😊https://t.co/1HS5Hx2Ow1#東放学園 #歌舞伎鑑賞教室 #中村亀鶴 #照明クリエイティブ科 pic.twitter.com/C7RohP6emV
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鷹之資さんと二代目の中村亀鶴さんは、従兄弟になるようです。
1-2. 中村鷹之資さんの経歴について
8/10 16時の部⚔ #刀剣乱舞歌舞伎 すごくおもしろかった。刀剣男士が大河ドラマで見た時代に行ったのもあって物語が理解しやすかった。あと歌舞伎役者さんって体幹がしっかりしてるなって。去年の初歌舞伎鑑賞の時から好きな中村鷹之資さん✨今日も素敵でした✨ #とうかぶ pic.twitter.com/skjrQBrQdx
— さーり (@sr23nagi) August 10, 2025
- 本名:渡邊 大(わたなべ だい)
- 出身地:東京都
- 生年月日:1999年(平成11年)4月11日
- 年齢:26歳(2025年12月時点)
- 屋号:天王寺屋
- 定紋:鷹の羽八ツ矢車
- 最終学歴:学習院大学経済学部経営学科 卒
舞台歴:
- 2001年4月(2歳):歌舞伎座『石橋』の文殊菩薩で中村大を名乗り初舞台
- 2005年11月(6歳):歌舞伎座『鞍馬山誉鷹』の源牛若丸で初代中村鷹之資を披露
受賞歴:
- 国立劇場特別賞
2002年12月:『彦山権現誓助剣』一味斎孫弥三松 - 国立劇場奨励賞(複数回)
2011年11月:『元禄忠臣蔵』細川内記
2019年12月:『孤高勇士嬢景清─日向嶋─』日向嶋の里人 実ハ 土屋郡内
2020年11月:『三社祭』悪玉 - 令和6年度芸術選奨 舞踊部門 文部科学大臣新人賞
2024年:『第九回翔之會』
鷹之資さんは、学習院幼稚園から一貫して学習院に学び、2022年3月に学習院大学経済学部経営学科を卒業されています。
彼は、2001年に「中村大」として初舞台を踏み、2005年には「鞍馬山誉鷹」で初代 中村鷹之資を襲名しました。
また、若手の勉強会として2013年頃から継続している自主の勉強会「翔之會」を主宰しています。
2. 鷹之資さんの生活が激変した苦労とは?
歌舞伎の中村富十郎さん長女、渡邊愛子が本格的に日本舞踊の道へ 初代「芳澤壱ろは」襲名 きょうお披露目(スポーツ報知) https://t.co/fkpqtqHJlw#芳澤壱ろは #中村富十郎#歌舞伎座 #国立能楽堂 pic.twitter.com/kB8ryiBkfj
— 中村福助 (@fukusuke9_) September 20, 2024
鷹之資さんの人生において最大の試練は、2011年1月3日、わずか11歳の時に父・五代目中村富十郎さんが81歳で他界したことです。
父・富十郎さんは鷹之資さんが生まれた時すでに69歳の高齢で、33歳年下の母・久邇瑳代子さんとの間に授かった子でした。
富十郎さんは人間国宝に認定された切れのいいせりふ回しと卓越した舞踊の名手で、息子の20歳での六代目 富十郎襲名と家の芸「京鹿子娘道成寺」を踊らせることを夢見ていました。
当時11歳だった鷹之資さんの心境は以下の通りです。
「僕が11歳の時でしたから、具体的にどんな指導を考えていたのか分からずじまいです。歌舞伎役者にとって、一番の師匠は父親です。その"師匠"を早くも失ってしまい、この世界で生き抜くだけで精一杯でした。でも、つらいことはあっても、歌舞伎が嫌になったことは一度もありません」
引用元/https://www.nippon.com/ja/japan-topics/e00222/
彼の具体的な苦労は以下の通りです。
①最大の師匠を失った喪失感
歌舞伎の世界では父から子へ芸が受け継がれます。
富十郎さんは世阿弥の『風姿花伝』に倣い、「14歳になったら本格的に芸を教える」という方針でしたが、鷹之資さんが11歳の時に他界したため、本格的な指導を受けることができませんでした。
②生活環境の激変
人間国宝の父が亡くなり、11歳の少年と7歳の妹、そして母という家族構成になりました。
また、葬儀では11歳の長男として気丈に挨拶をしなければならない重責を担いました。
鷹之資さんは、幼い頃から厳しくも温かい指導をしてくれた人間国宝の大師匠が突然亡くなり、歌舞伎役者として芸を磨いていく上での指導の柱を失ったのです。
富十郎さんの逝去により、その大きな収入源が途絶え、家庭の経済状況は激変したと考えられます。
これは、歌舞伎俳優として大名跡(大きな屋号や代々受け継がれる名前)を継ぐ前の若手が直面する共通の苦労ですが、鷹之資さんの場合は、あまりに早く、大師匠を失った直後にその現実に直面することになりました。
③自分のあり方を模索する苦しみ
父が亡くなり、目の前のことに精一杯だった鷹之資さんは、自分自身のあり方に目を向けられるようになったのは、ここ2、3年(20代前半)になってからだと語っています。
「この先、役者としてどうありたいか、どのような役を勉強していきたいのか考えた時、今でなければ勉強できないことがある。今でなければ教えていただけないことが、絶対にあると思ったんです。父もそうですし、ここ数年でお亡くなりになられた先輩方もおられます。あの時に教えてもらっておけば……という後悔は絶対にしたくないと思い、次の自主公演で、一番やりたかった『船弁慶』をやろうと決めました」
引用元/https://spice.eplus.jp/articles/312855
父の死後、富十郎さんの弟弟子にあたる二代目 中村吉右衛門さんや、坂東玉三郎さんなど、周囲の先輩方が熱心に指導にあたってくださったものの、その責任感と重圧は計り知れないものがあったと思われます。
富十郎さんが得意とした舞踊の芸は、映像資料や台本だけでは伝わらない細かなニュアンスが多く、それを父から直接学べる機会を失ったことは、鷹之資さんにとって大きな痛手となったことでしょう。
それでも、彼は先輩方の指導や父の背中を追いながら、古典歌舞伎を極めることを目指し、新しい挑戦にも取り組んでいます。
3. 苦労しつつも、父が遺してくれたもの
渡邊 正恵 編者
— 冨山房インターナショナル Official (@fuzambointl) February 10, 2024
立方・踊りの名手、人間国宝五代目中村富十郎が他界して7年、 その卓越した芸は、長男大(初世中村鷹之資)、長女愛子に引き 継がれている。富十郎の晩年の十余年、家族四人は楽しい生活と 厳しい芸の伝承の日々をおくっていた。そこには、舞台ではあら #冨山房インターナショナル pic.twitter.com/ukkes9D3Yl
鷹之資さんは苦労の中でも、父・富十郎さんが遺してくれたものに気づいています。
具体的には以下の通りです。
1. 能の修行
2. 周囲の支え
3. 勉強会「翔之會」の開催
3-1. 能の修行
鷹之資さんは、小学校1年生から人間国宝・片山幽雪さんに仕舞を習い始め、現在は十世 片山九郎右衛門に師事しています。
当時は「なんでこんなことをしなくちゃならないのか」と思われていたようですが、今では父の深い意図を理解しておられるようです。
3-2. 周囲の支え
鷹之資さんは、周囲から支えられていることについて、次のように語っています。
「父の人徳に助けられてばかりです。父が亡くなってからも、ずっと守られ続けている感じがします。皆さんが、父の芸や言葉を教えてくださるこの環境が、父が僕に遺してくれた何よりの財産です」
※一部分を抜粋しています
引用元/https://spice.eplus.jp/articles/312855
3-3. 勉強会「翔之會」の開催
「翔之會」については 先ほどにも触れています。
2013年、父・富十郎さんの三回忌を機に14歳で勉強会「翔之會」を始め、コロナ禍を除きほぼ毎年開催していました。
鷹之資さんは、自ら学びの場を作り、父・富十郎さんの当たり役に挑戦し続けています。
まとめ:鷹之資さんの目標
鷹之資さんは、父を失った苦労を乗り越え、明確な目標を持っています。
その目標は以下の通りです。
「古典をしっかり演じられる役者になって、六代目富十郎を襲名することです。それまでに、僕の目指す歌舞伎とは何か、自分なりの"答え"を見つけたい。そのためにも、若いうちはいろいろなことに挑戦していくつもりです」
引用元/https://www.nippon.com/ja/japan-topics/e00222/
中村鷹之資さんは、11歳という多感な時期に人間国宝の父を失い、「生き抜くだけで精一杯」という苦しい日々を過ごしましたが、周囲の支えと父が遺してくれた環境、そして歌舞伎への純粋な愛情によって、現在は若手歌舞伎役者の注目株として活躍されています。
| *参考元 | URLなど |
|---|---|
| Wikipedia | 中村鷹之資「ウィキペディア (Wikipedia): フリー百科事典」 |
| nippon | https://www.nippon.com/ja/japan-topics/e00222/ |
| spice | https://spice.eplus.jp/articles/312855 |
